ミニチュアで辿るルノーの高級車の60年・・・7「ルノー ヴェルサティス」

カー・デザインへの挑戦。
ちょっと大げさすぎるかもしれませんが過去を振り返ってみると、
ルノーの高級車というのは、そうなのか・・・って思ったりもします。

フレガトやランブラーが普通のセダンボディーであったのに対して
ルノー16やルノー30などが高級車なのにわざわざワゴンの利便
性を考慮したハッチバックボディーを採用したこと。

そして、その発展形のルノー25では、セダンボディーに見せておき
ながら、大きくサイドまで回りこんだラップラウンドウィンドを新採用
して、新たなハッチバックのデザインを模索。
このデザインは、後に、国産車のダイハツアプローズ、三菱エテルナ
などにも影響を与えたと思います。

サフランで、ルノー25のやや奇抜?さに気づき、少しオーソドックスな
ものになってしまいながらも、高級な雰囲気を上手に残しつつもハッチ
バック形状を継続採用し、相変わらず、ルノーのキャッチコピーであった
Des Viotures a vivre 生活のためのクルマを貫いたのでしょうか。
そして、最後の挑戦ともいえるこのクルマの登場。


「ルノー・ヴェルサティス」
本来なら、営業的な成果を考えるなら、
恐らく、このデザインは「ノー」が出たはず。
「メガーヌ2」「アヴァンタイム」に始まった彫刻的で
よく言われる「アヴァンギャルド」という表現がはまる
この系統のデザインの集大成といえるものを
現実のものとしてしまったルノーの英断。

これを、どう捉えるかは、それぞれに異なるのでしょうけれど、世界的にも
10位以内の販売台数の中に入る大企業がこういうことをしたことは、
単に、営業的な成果よりも、高級車、さらには自動車文化へのあらたな
挑戦だったか・・・そんなふうに思えてなりません。
残念ながら、日本への正規導入はされず、並行輸入車がごく僅かながら
入ったにすぎず、フレンチブルーをはじめ、各種イベントでお目にかかれる
程度なのですが、やはり、現物を目の前にすると、その、独特な存在感
に、今だに驚かされます。
そして、この「ヴェルサティス」昨年の暮れ、静に生産終了となってました。
その終了とはルノーオリジナルの高級車の終了ということでもあったのです。
(ラグナ・クーペをどう捉えるかは別として・・・)
その後継としては、韓国のルノー三星との共通モデルの「ラティテュード」
に引き継がれました。

ということで、かなり、私的な印象などが多かったりしましたが、カングーや
スポール系のイメージが強い今のルノーとは別の側面を知っていただけたの
ではないでしょうか。

ながながとお送りしてまいりましたこのシリーズは今回を持って終了させて
いただきます。また、何かの折に触れ、シリーズものを書きたいと思います。
ありがとうございました。


ミニチュアで辿るルノーの高級車の60年・・・5「ルノー 25」

ルノーのイメージって比較的「ローテク」なイメージでした。
このクルマができるまでは・・・
発想そのものはユニークで先進的なものは確かに多かったようにも
思えますが、メカニカル面においては、旧い技術を少しづつ改良して
成熟させていく、決して新しい技術を一気に取り入れない。
そんな印象が1980年代中盤頃までのルノーのイメージでした。

しかし、1983年末、「ルノー25」(ヴァンサンク)が発表されてから
そのイメージはずいぶん様変わりしたように思えます。
少し前に「ルノー11エレクトリック」において、液晶デジタルメーターの
採用など、「ソアラ」や「ピアッツア」をはじめとした全世界的にブーム
になりはじめたデジタルメーターも比較的早期に対応するなど、積極
路線に転向しはじめた矢先のルノー25のデビューでした。
ルノー11同様、セダンスタイルでリヤゲートのガラス面を大きくラップ
ラウンドさせたデザイン、アウディ100に負けじと空気抵抗係数cd値
0.28を実現させたり、ボイスシンセサイザーやリヤゲートのオート
クロージャーなど数々の電子装備採用、ピアノの蓋を開けたような
独特なデザインのインパネなどなど、前任のルノー30とは大きく
異なる先進的なイメージの真の高級車としてデビューしました。
日本にも日英自動車、キャピタル企業、ジャクスを通じて輸入され、
それまでフランス車のフラッグシップであったシトロエンCXの市場へ
本格参入することになりました。
なにを隠そう、私もこのヴァンサンクの魅力にはまってしまい、2台も乗
ることになるとは・・・

後にホイールベースを延長した「Limousine」が輸入されたり、90年
のマイナーチェンジ後に、フランス流の贅をつくしたインテリアと洗練さ
れたパワートレイン採用ででちいさなブームとなった「ルノー25 バカラ」
の登場など販売台数こそ少ないながらも、フレンチフラッグシップとして
の地位を確立した「ルノー25」。
晩年はジャクスの正規輸入代理権終了などの影響で残った在庫車の
たたき売りなど、なんとも残念な結果になり、また、後継の「サフラン」
の登場までは、正規輸入元不在による空白の2年があったなど、不遇な
時期に突入していきます。

新世代フラッグシップ「サフラン」はルノー横浜港南ブログで・・・


ミニチュアで辿るルノーの高級車の60年・・・3「ルノー 16」

私なんかがこのクルマの薀蓄をたれるのもおこがましいので
軽く、生い立ちなどを紹介したいと思います(笑)
1964年デビューの大型実用車(高級車?)が「ルノー16」です。

1964年の日本ではいろいろな出来事が一度にあった年でなんですね~
まずは「東京オリンピック」そして「新幹線開業」「東京モノレール開業」
など。そして、日本の自動車業界では、本田技研工業から「S600」が
三菱自動車工業から「デボネア」が出た年。トヨタ・日産の間ではファミリー
カー戦争が(ブルーバードとコロナにおけるBC戦争と言われた販売合戦)。

そんな年、フランスでは「ルノー16」がデビューしているわけなんです。
翌年のヨーロッパカーオブザイヤー第一号車となったほどの実力車。
クルマそのものは、名車「ルノー4」の大型版ととらえてもいいほどのもので
長いトーションバーリヤサスペンションの構造上の問題で左右のホイール
ベースが異なるのもこの「ルノー16」にまで受け継がれてました。

このクルマの売りは、スペース効率。後の「エスパス」などに受け継がれる
ルノーお得意のスペース活用の技はさすがフランス。
シートを吊り上げてワゴンにもなれば、フルフラットにしておおきなリビング
にも・・・まさに「ルノー4」の大型版以外のなにものでもなかったのですが、
そこは、上級モデルらしく、分厚いソフトなシートやマグネティックドアロックや
パワーウィンドなど、ルノーとしては珍しいパワー装備も備わり、トルコンタイプ
のオートマチック車「TA」も用意されるなど、徐々に充実していきました。
旧いフランスの映像などでは、エリゼ宮に出入りする黒塗り・赤レザー内装の
高級車的な雰囲気の「ルノー16」が見られたりもしました。
日本にも極少数が三井物産の手によって輸入されていたとのことです。

このミニチュアは、最後期頃の最上級モデル「TX」というグレード。
1980年でこのエクステリアだと、さすがに旧さを隠し切れないのと
すでに1975年に、本来、この「ルノー16」の後継ともなる「ルノー30」が
デビューしており、既に役目を果たしきったこの年に生産終了に。
余談ですが、さきほど話題に触れた「コロナ」ですが、1965年、ルノー16
に良く似たハッチバックモデルを登場させていました。

次回は「ルノー30」です・・・ルノー横浜港南ブログで


ミニチュアで辿るルノーの高級車の60年・・・1「ルノー フレガト」

第二次世界大戦後、ルノーはひたすら、国民車をつくり続けました。
大ヒットした名車「ルノー4CV」、日本でも日野自動車がCKDにより
「日野ルノー」として日本中に(特にタクシーとして)出回りました。
時代が移り、1951年、社会も暮らしにも余裕が生まれてきたこの年
ルノーから、一台の中型セダンが出ました。
「ルノー フレガト」
まあ、これを「高級車」というとちょっと?なのですが、当時のルノーの
フラッグシップ。戦前の馬鹿でかい高級車と比較するとずいぶん大人
しいサイズなのですが、丸みを帯びたそれなりにエレガントなスタイル
が魅力の一台。
アメ車風の派手な塗り分けも時代を感じさせますね~
同じ時代の中型車に「シムカ・ヴデット」がありますが、こちらはより
アメリカンなフィン付きテールと同じく派手な塗り分けがされたセダン
でした。
ともに、コンベンショナルなフロントエンジンで後輪駆動車でした
まあ、いかにこのクラスが保守層に支持されているのかがうかがえます。
ラインナップは年毎に追加され、ワゴン版の「ドメン」や電磁クラッチの
「トランスフリュイード」、高級版の「グラン・パボア」などをリリース。
恐らく、このルノー、だれも知らないクルマだと思いますのも当然なの
かもしれません。
その4年後に、あのインパクトで「シトロエンDS」が世の中に現れてしま
ったわけですから・・・

続きは「ルノー港南ブログ」で・・・