夏場の気温が40度前後にもなる暑い日が続き、屋外に駐車したクルマの車内温度が非常に高温になっていることを体験された方がほとんどかと思います。
灼熱となった車内の温度は一刻も早く下げたいものですが、最速で冷やす方法をご存知でしょうか?
炎天下に駐車した車内温度はどのくらい上がるのか、某機関で過去にテストを実施しており
外気温が35度の状態で複数台のクルマを放置し、昼の12時~16時まで駐車した場合の車内温度の上昇を計測した結果、黒いボディかつ窓を締め切ったクルマの車内温度は30分足らずで45℃を超え、最終的には57℃まで上昇。
また、白いボディのクルマも52℃まで上昇しており、ボディカラーに関わらず、夏場のクルマの中は“低温サウナ”のように暑くなることが判明しました。
暑くなった車内を素早く冷やす簡単な方法として、ドアをパタパタと何度か開閉させるというやり方があり、助手席または後席の窓やドアを開けて空気の通り道を作り、運転席のドアを複数回開け閉めして、開けた窓・ドアから熱い空気を逃すというものです。
窓やドアを開けるだけなので、特に必要な道具はなく、アナログな手法ではあるものの、車内の温度を下げるのに意外と効果があると言えるでしょう。
但し、反対側の窓やドアを開けたりと、出発前に多少、時間がかかってしまうかもしれません。
実は、運転しながら即効で車内を冷やす方法があります。
某機関は、この問題に対してもテストを実施しており、いくつかの条件で試した中で、一番早く車内の温度を下げることができたのは「エアコン+走行」と結論付けました。
今回、そのとっておきの方法をご紹介します。
まず、エアコンの設定温度をLo(最低)に下げ、「外気導入」に切り替えます。その上でクルマの前後の窓を全開にして走り出します。
2分間走行したら窓を閉め、今度はエアコンを「内気循環」に切り替えて3分間走ると、車内の温度が適温まで低下するはずです。
ちなみに、某機関のテストでは、開始時に55℃だった車内温度が、たった5分で28℃まで下がったことを確認したといいます。
この方法では最初に外気導入モードにするのがポイントです。
最初に内気循環モードにすると熱い空気が車内を巡るだけでなかなか温度が下がらず、窓を開けながら外気導入モードで走行風を取り入れて空気を入れ替えることで、より早く涼しくすることができると言うわけです。
後から内気循環に切り替えるのは、ある程度冷えた空気を逃さないようにするためで、外気導入と内気循環を上手く使った方法と言えます。
では、そもそも車内温度の上昇を防ぐ方法ですが、状況が許せば、直射日光が当たらない日陰や地下、屋内に駐車することが、車内温度の上昇を抑制できますが、駐車する場所がいつも日陰というわけにはいきません。そこでフロントガラスを覆う「サンシェード」を使う人も多いと思います。
しかし、サンシェードに車内の温度上昇を防ぐ効果はそれほど無く、フロントガラスを覆っていたとしても車内温度が50℃前後まで上昇することがあります。
無いよりあった方がいいというレベルかもしれませんが、サンシェードにはダッシュボードなどを直射日光から守る効果が多少なりともあります。
また、ハンドルも熱くなり過ぎることを防げるので有効です。
但し、サンシェードにはいつくか注意しなくてはならない点があります。
まず、直射日光を浴びたサンシェードは非常に熱くなっているので、素手で触るとヤケドする危険性があります。
また、フロントガラスに装着されたドライブレコーダーは、熱に弱く、誤作動や故障する可能性があるため、サンシェードを設置する際にはドライブレコーダーまで覆うことをお勧めします。
夏のドライブのご参考にしていただけると幸いです。