皆様 こんにちは! ルノー小平 セールスアドバイザーの中村です。
さて前回の続きでメガーヌR.S.のサスペンションについて私なりの想いをお話ししたいと思います。
ちなみにメガーヌR.S.に採用されているHCC。
ハイドロリック・コンプレッション・コントロールサスペンションダンパーはKYB社さんがサプライヤーです。
R.S.トロフィーRはオーリンズ社製の車高調式を使ってます。
後ほど紹介させて頂きますが、HCCダンパーには車高調機能が備わらないことが理由だそうです。
サーキット走行等に特化した車両では軽量化や車高調機能は必須ですからね。
さて、先ずご紹介したいのがメガーヌR.S.のリヤサスペンションです。
~前回メガーヌR.S.のサスペンション型式をご案内させて頂きましたが・・~
(シビック タイプRも同じ型式でしたね)
な~んだ!普通のサスペンションだな・・って思われたかと思います。ww
スポーツカーにはダブルウィッシュボーン式やマルチリンクが良いとか、
トーションビーム式はスポーツに向かないとか耳にします。
良いサスペンションというのはしっかり振動を吸収して車体を安定させることなので、
どんな型式のサスペンションも目的は一緒だと思います。
ただダブルウィッシュボーン等のようにアームやリンク類が複数あれば容易にセッティングができます。
トーションビーム式はアームが一本だったり構成部品が単純な分、
理想的なセッティングには非常に高い技術力を要するので、つい「妥協」の2文字が浮かんでしまいます。
その反面メガーヌR.S.はアームの取り付け位置だったり取付部のゴムブッシュの剛性だったりが工夫されていると感じます。
一番わかりやすいところでこのダンパーの取付を見てください。
すごく左右前後斜めに取付られておりますよね。
古くからクルマやオートバイ好きの方なら耳にされたことがあると思いますが「レイダウン」加工。
レイダウンって釣りの用語らしいですが「倒木」とか「横たわる」とかの意味らしいです。
旧車バイクのリヤサスペンションカスタムする際この方式がありましたよね。
【バイク仲間のKAWASAKI KZ1000 マークⅡ】
赤線がノーマルのサス取付位置ですがこのように斜めに取付加工してスムーズな減衰力を高めてます。
これがレイダウン加工です。
メガーヌR.S.のリヤサスを見たとき、「レイダウン」だ!ってすぐ頭をよぎりました(笑)
斜めに取付けることで上下振動に対してダンパーのストローク距離は大きくなり、
よりスムーズな減衰力が得られるので、皆さんお金をいっぱいかけてカスタムしてました。
もちろんリクスもあってその取付部には大きな力もかかるしボディー側(フレーム)の強化も必要になるし、
安易な取付方だとダンパーにもよりフリクションがかかって逆にスムーズな動きを損うので高度なノウハウが持て成す技だと思います。
またまた話がそれてしまいましたが、まったく私見なのでルノー社がその意図なのかは確かではございませんが・・アシカラズ
私が見てきたF1などのフォーミラーカーや、いわゆる高級スポーツカーにも用いられる手法なので、
メガーヌR.S.の妥協無しの本気度にものすごく感動したんです。
ダンパーのストロークですが先にもちょっと触れましたが、今回メガーヌR.S.に採用されたHCCは、
減衰力の源であるダンパーの中にピストンが2個入ってます(ダンパーinダンパーって感じです)
一般的にはピストンは1個でサスペンションがフルボトム状態のとき(俗にいう底付現象)
の衝撃を緩和するゴムのストッパーがついてますがそのストッパーの代わりにもう一つピストンが付いています。
特にスポーツ走行時に路面の凸凹などでサスがフルボトムしてからの減衰力コントロールが見事なんです。
底付感はほとんど感じず、限界域で路面に吸い付くようにストロークするのでトラクションも長くかかり安定感が増します。
一般的なゴムストッパーは底付の衝撃(ガツンって感じの)と同時に車体が弾かれてしまうのではこうはいきません。
とは言っても一般走行ではなかなか体感出来ないだろうと思いましたが、
私が思うに一般的なサスのゴムストッパーの厚みが必要ない分、HCCはストロークを長く出来るし、
底付を回避するためにサスを固くした車両のように中間領域が必要以上に乗り心地が悪くなることもない。
メガーヌR.S.をご試乗頂いた方々の感想は「スポーツカーにしてはサスが柔らかいんじゃない?」ってよく伺います。
~決して柔らかいバネレートではございませんが~
おっしゃられるように一般走行では「奥さまや彼女さんといっしょにお食事やお買い物に十分に使えるクルマですよ」
「スポーツ走行を楽しまれるときは是非お一人で走ってくださいね」ってご案内しております!ww
でもそれは個々の機能だけでなく HCCシステム、DASSシステム、4コントロール等を
バランス良く使って長い歴史のクルマ作りサスペンション作りのルノーの味付け(セッティング)から来るものだと、
私はルノーファンのひとりとしてすごく感じております。
またまた纏まらない話になってしまいましたが・・
世の中も少しづつ良い方向になってきたと思いますがまだまだ油断は禁物と自負しております。
皆様におかれましてもどうぞご自愛下さいますようお願い申し上げます。