初めて”彼女”に出逢ったのは、一年以上前のこと・・・
本当に会った訳ではなく・・・偶然目にしただけだった。
私の好みのタイプ・・・
真紅のベールに身を包んだ”彼女”を見た瞬間
身体の中に何かが狂ったように走り抜けた。
私は一瞬にして、その美貌の虜になってしまった・・・。
そのとき、”彼女”は遥か遠いところ・・・
私は遠くから眺めるだけしかできなかった。
来る日も来る日も、その姿を見守って
いつか、本当の出逢いが来る日を夢見ながら
見守り続けた・・・
そして、今年の夏・・・
ついに”彼女”に逢える機会が訪れた。
偶然が必然に変わる瞬間・・・
どれだけ、その日を想い描いたことか・・・
考えれば考えるほど、私の脳裏には
”真紅の世界”が拡がった。
やがて、約束の日が訪れた・・・
その日は仕事だったが、逸る気持ちを抑え
約束の場所へ向かった・・・
心臓の鼓動が高鳴る・・・緊張してきた・・・
蒸し暑い夜だったが、何故か清清しく思えた・・・。
そこに”彼女”がいた・・・
思わず声が出そうになった・・・
込み上がる感情を抑え、息を呑み込んだ。
やっと・・・やっと出逢えることができた・・・
そして、その想像以上の”姿”に
完全に恋におちてしまった・・・。
その後、何度か会えることができた。
”彼女”を見る度に、気持ちが強まる・・・
込み上がる感情は、もう抑えることができなかった・・・
初めてのデートは・・・ドライブ・・・。
遠くへは行かず、近所を紹介しただけ。
その日はとても晴れて、あの山も見えたので
”彼女”はとっても嬉しそうだった。
会話が弾み、色々話すことができた。
そして、ありのままの”彼女”を見ることができて
その”内面の姿”にも、私の心が奪われた。
この先、まだどうなるか分からない・・・
恋のゆくえは・・・
けど・・・これだけは言える・・・
それはそこに”ある”と・・・。