皆さんこんにちは、ルノー金沢の田中です。
日本車からヨーロッパ車に乗り換えられた方によく言われることに
ブレーキ鳴きとブレーキダストによるホイールの汚れがあります。
このことについて、2つの項目を紹介してみようと思います。
1.ブレーキパッドの材質の違い
ブレーキパッドは基本的な素材にNAO材が使われています。
NAO(Non steel non Asbest Organic)材とは
グラスファイバーやアラミド、銅、セラミックを主成分としており
特徴は低コストでブレーキ鳴きも少なく、ローターへの摩擦が弱い。
ザクっと言うと
ホイールが汚れにくくてブレーキ鳴きもしにくい素材で
コスパが良い!(が効きが弱め)
こちらは国産車に多く使用されています。
対してヨーロッパ車は
ロースチール系(メタル系)といわれる素材です
NAO材にスチール成分を10~30%配合しています。
特徴として、NAO材より耐熱性が高く
ローターに食い込むような接触面を保ち
ブレーキを踏んだだけ効きが増すようなフィーリングです。
ローターとパッドの消耗が早くなりますが、
「ブレーキがよく効く」ことになります。
反面、市街地などの低速走行ではパッドの温度が上がらずブレーキ鳴きを起こしやすい。
こちらをザクっと言うと
ホイールが汚れやすくブレーキ鳴きもしやすいが
ブレーキの効きや耐熱性などが良い!(安全を優先)
2.求められる性能
なぜ輸入車と国産車は異なるブレーキを採用しているのでしょうか?
それは、日本とヨーロッパの最高速度の違いです
日本はヨーロッパと比べそれほど最高速度は高くはないので
ブレーキの効きや耐熱性では劣るものの
ダストが少なく、ブレーキ鳴きもしにくいNAO材で必要十分と考えているのです。
一方、ヨーロッパでは高速道路の一部区間は制限速度の設定が無く200km/hオーバーで走行することも出来ます。
実際にその区間を200km/hオーバーで走っている車は珍しくありません(>.<)
それだけ高速で走るので、
ダストが出ても、
ブレーキ鳴きが出ても、
その速度から
「確実に、安全に」
減速~停止させるブレーキシステムは
必須です。
このようにブレーキに求める性能や考えが日本とは異なるのです。
いかがでしたでしょうか?
「素材」や「求める性能」の違いから起こることなので
どちらが良い悪いはないのです。
また、“ブレーキの鳴き止め作業”をすると
ある程度鳴きを抑えることも
可能な場合もありますので気になる方はご相談ください!
最後に、長文をここまで読んでいただいた方
本当にありがとうございました(^.^)/