フランスから来た男〜④

2024.02.23.Fri DIARY

千歳市のアウトレットモールの駐車場で開催していた「フレンチ ブルー ピクニック

2012年の開催日はイベントの開催自体が危ぶまれる程の生憎の天気になってしまった。こんな悪天候だとエリックも来ないだろうな。って言うかフライヤーを渡しただけなので、もし自分だったら異国の地で会場にたどり着ける自信が無い。

でも世界を旅する男は違った。オレンジ色のキャトルを操るエリックが降り頻る雨の中会場にやって来てくれた。なんだかとても嬉しかった。ルノー札幌のテントの横にエリックのキャトルを置かせてもらい、参加者の皆さんに見てもらった。皆さんも興味深々。この車はユーラシア大陸を横断して来たんだぞと、一つも何もしていない私が何故か少し自慢げに説明していた。エリックにはジャンケン大会やラジオの中継にも参加してもらい、イベント自体を大いに盛り上げてくれた。

フランスから遠く離れた東洋の国で、フランス車が集結して少しだけ特別扱いされているようなこんなイベントはエリックの目にどう映っていたのだろう。ちょっと聞いてみたかったな。会場の様子をカメラで撮影したり参加者と触れ合っている様子も見受けられたのでそれなりに楽しんでくれたのではないだろうか。

その日も移動を予定しているらしく、夕方になる前には出発して行ったエリック。何か気の利いたお土産でもと思ったが全然思いつかず、出発間際に急遽コンビニで買ったオランジーナを手渡した。私が「車と同じ色だぜ!」みたいなジェスチャーをすると「メルシーボークー」と言って車に乗り込んだ。キャトル特有の小さな窓から手を振り甲高いクラクションを響かせながら去って行くエリックを見送ってささやかな国際交流が終了した。

確かエリックの年齢は自分と一回り違うんだなと認識した記憶がある。そうするとエリックが来た時から12年経った2024年の今年は世界を旅していたエリックの年齢になっている事になる。行動力・決断力・資金力・語学力・柔軟性・時間の余裕… 今現在どれ一つとっても全く持ち合わせている気がしない(笑)。それではせめてもの気力・体力・時の運…これもまた全然自信が無い(笑)。ついでに言うと自他共に認める方向音痴だしアウェイな環境に滅法弱い(涙)。

スゲエなエリックって!尊敬しちゃう。エリックが今どこで何をしているか全くわからないが、もし会えたら爪の垢を分けてもらい、煎じて飲んでみたいと心底思う今日この頃である。

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