皆さんこんにちは。ルノー小平 店長の中川団です。
今回は前回お話しなかったCVTについてお話を。
そもそもCVTとは無段変速機のことですが、MTやATのように歯車の組合わせで変速しません。
文字通り『無段』なので、有段ATのような変速時のエンジン回転の落ち込みも無ければ、
シフトアップ時の僅かなショックも存在しません。
有段ATでは不可能な5,8速とか6,5速とか、そんな半端なギヤ比も自動選択できますし、
だからこそ、非常にスムーズで滑るような感覚に感じるんです。
これが、独特の音や加速感に表れるんですね。
ところで、有段ATには4~8速、MTベースの自動MT(ルノー車で言えばクイックシフト)なども、
種類や構造など様々なタイプがあり、拘りを持っている方もいらっしゃると思います。
実はCVTにも複数のタイプがあるんですね。
スチールベルト式、トロイダル式、チェーン式、ゴムベルト式、副変速機付、乾式複合ベルト式
等などです。この他にも第一世代、第二世代、第三世代などでの分け方も有ります。
車格や投入できるコストなど、どのタイプを採用するか?で性能も大きく変わります。
世間ではCVTをまとめて論評する方もお見受けしますが、『CVTは良い』とか、
『CVTだからダメ』とかは一概には言えないんですね。
<では、メガーヌHBに搭載されているCVTとは?>
スチールベルト式CVTにトルクコンバーターを組合わせた第三世代のCVTです。
日産では『エクストロニックCVT』と呼んでいるタイプですね。
実はこのCVT、非常に賢いんですよ。
どのくらい賢いか?というとですね...
旧型のメガーヌⅡで採用していた4速AT(DP0)は9つの変速パターンから最適なパターン
を選んでました。
ところがメガーヌⅢのCVTはまったく違います。
『アクセル操作』、『車速』、『勾配負荷』、『コーナーリング負荷』などの走行状況を
毎1/100秒でモニタリングし、700以上の変速パターンから最適なものを選択します。
更に、自己学習(AI)機能も備わっていますので、乗り手の運転傾向を蓄積し、
乗るたびに『良い感じ』になってきます。
つまり、トルクやパワー面で『一番おいしいところ(ギヤ比)』を使える、という事ですね。
今回メガーヌⅢに搭載するにあたり、ルノー用にマッピング変更してるとは聞いていましたが、
正直、乗るまでは疑っていました(笑)。
しかし、こんなにGOODな仕上がりになっているとは驚きです。
2000回転までは欧州車っぽい出足で、無駄に回転を上げていかない設定のようです。
しかし、2000回転以上になるよう踏み込むと、前述のCVTの『無駄の無い効率的な』特性が
はっきり表れてきます。
エンジン回転はさほど回っていなくても、気が付いたら結構スピードが出てたりします(汗)。
表現が難しいですが、出足のエンジンの振動や走り出し感はルノーの味そのものですね。
エンジン&CVTが日産との共同開発であることを忘れてしまう程、味付けがきちんと
ブランド分けされてます。
夏場のアイドリング時に日産のエンジンでは有り得ない?電動ファンの高回転ぶり(笑)は、
まさしくルノーのエンジンみたいで良い意味でニンマリ。
更にそう感じさせるもう一つの要素が、エンジンブレーキが効くところですね。
これは全く予想外でした。だってCVTですよ!エンブレ効くとは思いませんよ(笑)。
もちろん、過去のルノー車程大げさなエンブレでは有りませんが、停止するチョッと前から
感じる事が出来ますよ。
そしてもう一つの驚きがパワステです。
今回のパワステは相当変更されていますね。メガーヌⅡとは大違いです。
電動パワステだと言われても、『え?油圧でしょ?』って疑うくらいに自然な完成度です。
メガーヌⅡに比べると適度に重いため、扱いやすいくせにシビアな調節ができる、
という相反することが出来るようになってます。本当に指の動きだけで車が反応するんです。
反発力、応答性など、全てにおいて自然なんですね。
電動パワステにありがちな『軽くて回るけど、タイヤの向きがイマイチ分からない』なんて事は
全く無いですね。
これまでのルノー車の電動パワステでは最高の出来栄えだと思います。
さて、これまでの店長インプレは如何でしたでしょうか?
ご興味のある方は是非ご来店ください。お待ちしております(店長)